2013年私立大学入試も終盤になりました。関西の私立大学入試は合格発表が終わったところも多く、今年も多くの合格報告を受けました。合格されたみなさま、おめでとうございます。
国公立大学が第一志望の受験生は、25日に前期試験がありますので、気持ちを引き締めて残り1週間勉強に集中してもらいたいと思います。
さて、今回は私立大学文系入試における、数学受験、地歴(政経)受験の選択について考えてみたいと思います。2014年以降の入試を考えている方の参考になれば幸いです。
当教室では、国公立大学を第一志望にしている受験生が多いため、数学で受験する人が大半です。ただ、数学をあまり得意にしていない受験生は、10月~12月の段階でもまだ迷っていることもあります。「数学は自信がないから、地歴で受験しようと考えているのですが、いかがでしょうか?」こういった相談を受けることが少なからずあります。
当教室では、数学受験を検討している受験生には、数学受験を薦めます。理由はいくつかあります。
まず第一に、数学受験は失敗が許されないように思われますが、たとえ解けなかった問題が多かった場合でも、得点調整が行われることで、地歴受験者に対して大きな不利にならないことが珍しくありません。関西学院大学や立命館大学においてその特徴は顕著で、今年の受験結果から鑑みても、数学の失敗は許されても、英語・国語の失敗は許されないといった印象でした。実際、数学はあまりできなかったにもかかわらず、英語・国語できちんと得点できたので合格した受験生が多かったです。逆に、数学ができたのに、英語・国語で失敗したため、不合格になった受験生もいました。やはり、私立大学文系入試においては英語・国語の出来が最も重要なのです。
また、私立大学専願の受験生にとっては、英語・社会・国語の3教科で勉強する場合、どれも文系教科で「息抜き」の科目がないように思われます。一方、英語・数学・国語の3教科で勉強すると、数学という理系教科を勉強することになり、気持ちの面で切り換えて勉強できます。長い受験生活を考えると、こういった「息抜き」科目の存在は大きいような気がします。
ここからは主に国公立大学を志望している受験生の視点から考えてみますが、センター試験を除いて国公立大学の2次試験で地歴が必要な大学は限られているため、センター後、地歴の勉強に時間をとられるのは大きな犠牲になります。私立大学文系の入試問題は、センター試験と国公立大学の橋渡しとなる問題が多く、2月初旬に行われる入試に向けての勉強は、国公立大学入試に向けて大いに役立ちます。
さらに、数学受験が優遇されている大学があることも挙げられます。例えば、慶応大学経済学部、商学部は数学受験(商学部は数学に加えて地歴も必要)の合格者数を地歴受験者よりもそれぞれ2倍、4倍多く設定しています。国公立大学と併願する学生が多いのですが、数学受験者はかなり有利です。また、中央大学法学部のように、英語・数学・国語・地歴(政経)といった4教科受験を実施している大学もあり、やはり数学受験ナシの3教科よりも合格しやすい状況です。
最後になりましたが、私立大学文系の数学の問題は典型問題がほとんどです。過去問を中心にしっかり練習を積めば、高得点が期待できます。例えば、関西学院大学の記述問題(大問3)は微積分の出題がほとんどで、演習することで大きな得点源となります。当然地歴においても練習を積めば高得点は取れるので、数学が有利になる理由にはならないかもしれませんが、決して数学受験は不利になることはないということを理解してもらえればと思います。
国公立大学を併願する受験生にとっても、私立大学を専願する受験生にとっても、数学受験は考えてみる価値のあるものだと思います。そして、合否を決めるのはやはり英語・国語に頼るところが大きいのだということを再度お伝えして、終わりにしたいと思います。
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