センター試験

いよいよ明日センター試験が始まります。最近では私立大学専願の受験生でも受験する場合が多くなり、推薦入試などで合格が決定している生徒を除き、ほとんどの受験生が受験します。

 

多くの受験生がセンター試験での得点率によって受験する大学を決定します。試験結果が公表されるのは4月です。各受験生は問題文にメモした答えを自己採点して、大手予備校が発表するボーダーラインなどのデータと照らし合わせます。ここでマークミスをしていると、自分の自己採点結果と実際の得点が異なっている場合があります。細心の注意力を持ってマークしなければなりません。

 

国公立大学の合否はセンター試験の得点と2次試験の得点の合計によって、合否が決まります。大学によってセンター試験の得点を圧縮(900点→650点など)したり、そのまま反映させたりと様々です。また、最近では英検やTOEICなどでの特例措置があります。例えば、一部の大学では英検準1級に合格しているとセンター試験で満点が与えられます。(鹿児島大学2017年度~、広島大学2019年度~)

 

このセンター試験の結果が大学の合否を決定するといっても過言ではありません。センター試験がダメでも、2次試験の挽回があるじゃないか、と思ってしまいますが、そういった逆転は多くありません。実際、合格者を上から順に並べた場合、センター試験の得点率順であることが多いのです。特に現役生の場合は2次試験で浪人生に勝つことは簡単なことではありません。2次試験の得点比率が高い一部の大学を除いて、センター試験で高得点を取ることが不可欠です。

 

 

さて、センター試験は標準的な問題で構成され、いわゆる難問が出題されることはありません。にもかかわらず、なぜ平均点が約6割なのでしょうか?

 

 

それは時間制限があるからです。

 

試験時間は本当に短いです。 そして、センター試験は総合点レベルでも、教科レベルでも総合的な力を試すものです。ある教科が得点できたとしても、ある教科で大失敗してしまったら、総合点という観点から見ると、取り返しのつかないことになります。実際この2つの教科になり得るのが、国語と数学です。国語の出来がよいのに、数学で大失敗。数学は健闘したのに、国語で2桁得点。各科目バランスよく得点することがいかに難しく、重要か、残念ながらセンター試験を受験したあとにようやく分かることも多いのです。

 

そして、各科目それぞれについても同様です。大きな失敗をしないよう、全体を見渡して得点すべき箇所をきちんと見極めて得点することが何よりも大切です。満点を取ることは理想ですが、なかなかできません。そういった時、得点できる箇所を確実に得点して、自分が達成できる最高得点を目指す必要があります。

 

英語、数学、国語、特に数学は時間との戦いです。時間内にいかに正確に速く解くかが勝負です。ちょっとしたミスが命取りになります。本番の試験という緊張している中で、平常心で細心の注意力を持って解かなければなりません。

 

 

実際に英語のリスニングでしてしまったミスをご紹介します。

 

2014年のセンター試験の問題です。

 

(例) ~ keep (     )  him so he wouldn't get lost.

①an eye on  ②away from  ③ back from ④ in time with

 

答えは①(彼が迷子にならないように目を離さない)なのですが、なぜかkeepときたら②keep awayだと思い込んで答えてしまったようです。見直しでも気づかなかったので、丁寧に見ていなかったのでしょう。このようにパッと答えを決めてしまうことは危険です。

 

 

もう1問ご紹介します。

 

2014年のリスニングの問題です。

リスニングの最後の問題はややTOEICのPart4に似ていて、文章を聞いた上で3つの質問に答えます。

 

以下、英語(リスニング)の問題です。

 

問25 What ~ elderly people gain from ~ grandchildren?

① They become familiar with the latest technology.

③ They keep up with the latest fashion trends.

 

問題は、「おじいちゃん、おばあちゃんが孫たちと同居することでどんな利点があるか。」というものです。音声からは、~teach their grandparents how to use computers and keep up with the latest technology(孫たちと過ごすことで、コンピューターの使い方が分かり最新の科学技術に遅れずについていける)とありました。③のkeep up withに釘づけになり、fashionをまったく見ていないとこちらを選びます。最後の最後に集中力のスキができてしまうと間違えてしまいます。

 

 

時間に余裕のある科目については、見直しの際には、他の選択肢も検討することを忘れないでください。得点できる問題で落としてしまうと悔やんでも悔やみきれません。

 

普段の模試で9割以上得点している受験生でもmoderationを「現代」(正しくは「適度」。moderateの名詞形)と見間違えてしまったり、数学においては2+√3とするところを、あせって3+√2としたり、あるいは解答用紙には②と書いてあるのに③と転記ミスをしたり、本番は模試以上に何が起こるのか分かりません。

 

来年度以降を受験予定の方へ

どの教科も本番に近い環境で何度も演習することがやはり重要です。来年以降のセンター試験を受験予定の高校生は、毎回のマーク模試に本気で取り組み、何度も復習して、自分なりのセンター力を身につけていってください。特に得点できる問題で確実に得点する力を磨いてください。